早生まれはADHD誤診が多い!発達障害が増えている問題と絡めて考察

発達障害

私、確かに3月生まれなんですけど。早生まれってやっぱり発達障害になりやすいのですか

ADHDの彼氏、誕生日2月なのですがこれって誤診ですか?

早生まれの子どもは「落ち着きがない」「知恵が遅れている」と不安になる親の方も多いのではないでしょうか。幼少期に同学年で1歳の差は大きいですよね。

今回、早生まれはADHDと診断されるケースが多いというニュースから発達障害が増えている背景と理由を紹介します。

ADHD当事者でもある筆者も早生まれのため、興味津々です。

それではさっそくみていきましょう。

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年度末生まれは1.3〜1.7倍の診断

カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のRicahrd L. Morrow氏が、2012年3月5日付けのカナダ医学誌「CMAJ」に発表しました。

カナダの場合、日本とは異なり、12月を区切りに学年が変わります。その年度末の12月と年初の1月のADHD診断率を比べると、1月生まれと比べて12月生まれは男子は1.3倍、女子は1.7倍ADHD診断率が高いという結果になったそうです。

つまり、この研究であれば早生まれの女子ほどADHDと診断される可能性が高いと言えます。

出典:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22392937/

ADHD診断において教師の意見が重視されている

続いて、医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル」に誕生日が遅い子どもは、早い子供に比べてADHDと診断されやすい傾向にあるという論文が発表されました。

この研究では年度末の子どもが年初に比べて34%ADHD診断率が高いという結果になりました。

しかし、論文の執筆者の一人であるハーバード大学メディカルスクールのアヌパナ准教授は、年度末の子どもがADHDと過剰診断されている、と言及をしたようです。

日本でも幼稚園や小学校など、「注意散漫」「落ち着きがない」と指摘するのは教師であることが多く、ADHDに似た症状が出ている可能性もあります。

出典:https://www.afpbb.com/articles/-/3200067

アメリカでは18歳未満の子ども100万人がADHDの誤診の可能性

アメリカでは年間18歳未満の子どもの450万人以上がADHDと診断され、そのうち100万人が誤診の可能性があるという報告があります。

5歳が5歳児らしい振る舞いをすると6歳のクラスメートに比べて、落ち着きがないような評価を受けてしまい、ADHDと誤診されるケースも多いようです。
ミシガン州立大学、ノースカロライナ州立大学でも「早生まれのためADHDと誤診されている児童が多数」という報告もあります。

ADHDと誤診をされ、不必要な薬物治療となってしまうと大変です。

教師にとっては学年において誰が年長で年少かは把握した上で適切な判断と行動をすることが必要となってきそうですよね。

出典:https://gigazine.net/news/20100819_adhd_or_just_kids_being_kids/

ADHDなどの発達障害が増えている背景と理由

「ADHD」や「発達障害」という言葉はかなり浸透してきましたよね。
筆者はADHDと診断されたのは30歳を過ぎてからなのですが、診断前からADHDや発達障害の存在は知ってました。しかし、ADHDが「脳の障害」であることはよくわからず実態はあまり知りませんでした。

そこでADHDなどの発達障害が増えている背景と理由をみていきましょう。

20年あまりで発達障害児が7倍増

2016年、文部科学省の調査結果で通級指導(比較的軽い障害がある生徒・児童が、特別支援学校や特別支援学級ではなく通常の学級にいながら、各教科の補填指導を受ける)の児童が9万人を突破し、20年で約7.4倍になったそうです。

発達障害の認知度が向上した

2005年に発達障害者支援法が施行されました。そのため、医療従事者や教育関係者、小さいお子さんを持つ親の間で「発達障害」が浸透していきました。

またネットの発達によって誰もがスマホで調べられる時代となり、医療従事者や教育関係者だけではなく、広く一般の方にも広がるようになりました。

しかし、ネットではADHDの情報やADHDネット診断などにより、発達障害に誤った知識や自称ADHDといった方も増えています。

発達障害の受診を勧める先生や保育士が増える

発達障害が浸透してくると、周りの子どもと比べた上で「落ち着きがない」「注意散漫」であるという子どもがいたら、発達障害の受診を勧める先生や保育士も増えます。
今、パンデミックを起こしている感染症もそうですが、受診数が増えるとその分、診断される数も増えますよね。

まさに発達障害グレーゾーン「擬似ADHD」

発達障害の受診が増えると、誤診されるケースも出てきます。たとえば「擬似ADHD」といったものがあります。大人の発達障害は12歳以降から始まると言われており、擬似ADHDは気分障害や不安障害、依存症、自閉症スペクトラム、愛着障害によって引き起こされることがあるといいます。そのため、医師によっても診断の見極めがつかないケースがあるようです。

ギフテッド児の存在

ギフテッドとは「生まれつき突出した才能を持った人」のことを指します。ギフテッドと言われる基準はたくさんありますが、例えば、IQ130以上というものが挙げられます。

そのギフテッドは才能が突出して、行動力や思考力に長けているが故に、周りの子どもの中で浮いてみえるように感じられることがあります。先生や保育士が発達障害かも?という色眼鏡で観察してしまうと発達障害に感じてしまい、親に発達障害の受診を勧めてしまうケースもあるようです。

【まとめ】ADHD誤診が多いので慎重に

ADHDは早生まれ、擬似ADHD、ギフテッドと誤診されるケースも多いです。

最終的な判断をするには医師によっても見極めが違うこともあり、セカンドオピニオン制度を使うことも大事になると思われます。

幼少期においては誕生日月によって成長度合いも変わるため、子どもの周囲の大人が複数名でしっかりと見守る必要があると感じました。

また私も早生まれではあるのですが、幼少期は学級委員長やスポ少のキャプテンも経験していたので割としっかりとしていたかなと思います。それでも大人になった今、ADHDと診断され、戸惑っている部分はありますが、しっかりADHDに向き合っていきます。

それでは本記事を読んでくださりありがとうございました。

大人のADHDに役立つグッズもまとめた記事もあわせてお読みください。

この記事を書いた人
くんポンコツ

田舎から、ぽんこつに綴ります。双極性障害とADHD持ちのぽんこつライター。温泉施設でwebマーケのアルバイトをしながら小さな会社を経営中。来年目標でカフェをつくるプロジェクトを実施中|手網珈琲 | 複業 | ローカル | 二拠点生活 | 東京から地方へ戻り組 | 村育ち | ばあちゃん子 | 30↑

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