大好きな相手と結婚して日々の幸せや喜びを感じつつも、生活が一変すると、誰でも多少のストレスや困りごとを抱えるものですよね。
筆者は、結婚2年目の発達障害の専業主婦です。
結婚と同時に退職後、結婚生活に慣れず体調を崩してしまいました。
そんな私でも、現在は日々穏やかに過ごすことができています。
現在、結婚したばかりで生活に不安を感じている方の参考になれば幸いです。
ADHD当事者の結婚生活困りごと6選と解決方法
筆者は、仕事で体調を崩し退職後に専業主婦となりました。
働いていない自分に負い目を感じ、さらに家族になったことにより、家事を完璧にしないと!と自分に無意識にプレッシャーをかけて、新婚生活は苦労しました。
特に女性だから家事はできなければいけないという固定観念にとらわれ、なんてダメな人間なんだ……と落ち込むことも。
そして、そんな私を見て相手はできる範囲でいいよ、と言ってくれていたのに全く話を聞かない、という悪循環に陥っていました。
ここでは発達障害の方によくみられる、結婚生活の困りごとと解決方法を紹介します。
相手の話を聞かない、自分ばかり話してしまう
不注意や衝動性の特性により、相手の話を聞かずにずっと話し続けてしまったり、相手の話を忘れてしまい約束を守れなかったりといった経験のある発達障害の方は多いのではないでしょうか。
夫婦はコミュニケーションが大切です。
一方的に話し続けると相手との関係を深めることができません。
相手を悩ませたり怒らせたりといったこともあります。
そして困ったことに相手がなぜ悩んでいるのか、怒っているのかに気が付かないことも多いのです。
どうしたらいいのだろう……と悩んでいる発達障害の方もいるかと思います。
解決方法
衝動性の特性がある方は、頭に浮かんだことを忘れてしまわないように次から次へと伝えようとします。
自分ばかり話しすぎたことに気が付いたら、さりげなく相手に質問し、私ばかりごめんねと一言伝えましょう。
時には自分でブレーキをかけることも必要です。
どうしても話しすぎてしまう方は、相手に一言注意してもらうようにお願いします。
大切な予定などの話をするときには落ち着いて会話ができる時間をつくりましょう。
その時には、スケジュール帳やメモ帳、スマホなどひとつ決まったものを用意し記入します。
そして朝など毎日決まった時間に見直し予定を確認する習慣をつけることで、うっかり忘れてしまうことを防ぐことができます。
家事の段取りが苦手、さらに他のことに気をとらわれやすい
家事の中でも、片付けが苦手という症状はよく知られていると思います。
物が多くて手をつけられなかったり、同じ場所に戻せずに無くしたりという経験が一度はあるのではないでしょうか。
いざ片付けをしようとしても集中力が続かない場合もあります。
その結果、だらしない、怠けていると相手にイライラされ険悪ムードになることも。
その他にマルチタスクが苦手な方は、段取りよく何品も作り、さらに洗い物など同時進行しなければならない料理に混乱してしまいます。
解決方法
片付けが苦手な方には、衝動買いをしてしまい部屋が物であふれている場合もあるのではないでしょうか。
物がたくさんあるとそれだけ片付けや掃除が大変になってしまいます。
一度相手と時間をつくり部屋の整理をしてみてはどうでしょうか。
物の定位置をつくるのも効果的です。
料理は段取りよくできるよう、作る順番を決めてしまうと少し楽になります。
筆者の場合は、基本的に2品のみ作るようにしています。
最初にお味噌汁を作り、そのあとメインを一品作り始め、焼いたり煮ていたりする間に洗い物をする、といったように毎回決まった流れで作業しています。
副菜はお豆腐やゆで卵などすぐに用意できるものや、時間のあるときに大量に作るなどして工夫しています。
家事の分担は苦手なことを相手に任せて、得意な分野で自分の力を発揮できると良いですね。
お金の管理が苦手で、衝動買いをしてしまう
発達障害(特にADHD)の特性で衝動性があります。
衝動性の高い方は気がつくとお金がない!と困り果てるといった悩みを抱えがちです。
欲しいと思ったらあと先考えずに買ってしまうため、金欠状態に陥りやすいといえます。
数字が苦手な方は、残高を見ても、どのくらいのお金が残っているのか感覚的にわからないといった問題を抱えている場合もあるでしょう。
結婚すれば夫婦にもよりますが、家計は基本的に2人で負担し合います。
一人暮らしでは自分の責任ですが、夫婦のお金と考えれば自分自身だけの問題ではありません。
解決方法
お金の管理がどうしてもできなければすべて相手に任せ、お小遣い制にしてみてはどうでしょうか。
その際には買い物をする前に一度本当に必要なものなのか考えます。
一日経てば案外そんなに欲しいものでもなかったな……といったことも。
キャッシュレス決済が主流ですが、残高の感覚がつかめない方は目に見える現金を持ち歩くのも効果的です。
家計簿をつけるのも、何にいくら使用したかを確認できるため、毎月の見直しに役立ちます。反省をおこなっていると不必要なものが見えてきます。
また買い物に行く際は買い物リストを事前に用意すると、不必要なものを買うことを防ぐことにもつながります。
最後の手段ですが、本当に自分で管理することが不可能であればカードの管理を相手に引き受けてもらうことも考える必要があるでしょう。
お金のトラブルは時に本人ばかりか家族も巻き込まれることがあります。
そのことを頭にいれておくことも大事です。
過集中で他のことが手につかない
発達障害の方には、これがしたい!となると終わるまでいつまでもやり続けてしまう方もいると思います。
例えば、家事でいえば掃除なんかが当てはまります。
汚れているな、と一度気になり始めたらすっきりするまで時間を忘れ何時間でも取り組むのです。
その結果食事や睡眠を後回しにしたり、他の家事がおろそかになったりという悪循環に陥るという結果に。
その他にスマホやゲームなどの娯楽にも熱中しがちで、家事や今やるべきことに手が回らないといったこともあります。
解決方法
やることが決まっていないと、気になったことに飛びついてしまいがちです。
知らぬ間に時間が過ぎてしまうことを防ぐためにも、朝にその日にやることを考え、目の入るところにおおよその時間と予定を書いたメモを貼っておくことをおすすめします。
そしてその予定に合わせて行動するように心がけます。
スマホやゲームの過集中を防ぐためにはタイマーを使用することも効果的です。
それでもやめられない場合は時間制限機能のアプリを使用し、スマホやゲームなど見えないところに隠すのもありです。
相手がいるのだから、食後の時間にお茶やお菓子を用意してコミュニケーションの時間を取るのも夫婦生活を送る上で大切なことです。
スマホやゲームの時間を相手とのやり取りの時間にしてみてはどうでしょうか。
就職など大事なことを衝動的におこなってしまう
発達障害の方の衝動性は良い方向に動くこともありますが、時には相手を困らせてしまうこともあります。
特に就職や退職といった、生活が変化するような大事なこともその時の感情に任せて決めてしまうことも。
結婚し生活を共にするということは、相手への配慮も必要です。
相談なしに決めてしまうと相手も信頼してくれていないのかな、大事に思ってくれていないのかなと感じてしまいますよね。
これは筆者の経験談ですが、相手への相談なしに高額な美容医療の契約をおこなってしまい相手を困らせてしまったことがあります。
解決方法
何かを決める時には一度立ち止まってみる必要があります。
自分で行動を抑えられない方はまずは、どんなにささいなことでもいいから相手に相談する、話しをするといった癖をつける努力をしてみてはどうでしょうか。
今度一緒に映画を観にいきたいな、部屋の家具移動してもいい?などどんなことでもよいのです。
小さなことでも相手に伝えていると、相談することが当たり前の習慣となります。
そうすると家庭や人生において大事なことも感情的に任せずに、一度立ち止まって相手に相談できるようになります。
少しずつの積み重ねがお互いの信頼にもつながります。
気分が落ち込みやすくできない自分を責める
結婚したんだから、家事もしっかりやらなきゃ、相手との生活リズムを合わせなきゃと頑張りすぎてしまう発達障害の方もいるのではないでしょうか。
自分は発達障害でできないことが多いから……と自己肯定感が低い方だと、少しつまずく出来事があると、気分が落ち込み体調を崩してしまいます。
完璧にこなせない自分を責め、相手が協力的でなければイライラしでも伝えられずもやもやするといった場面に出くわすこともあるかと思います。
自己否定感が強まると、不安障害やうつ病などの精神疾患を併発することもあります。
解決方法
自己肯定感が低いと、マイナス思考に陥りやすくなります。
しかしマイナス思考自体をなくそうとしてもうまくいはいきません。
上手に付き合う練習が必要です。
結婚したからといって、家事を完璧にこなす必要はないのです。
今、マイナス思考にはまっている、と自分を俯瞰することが大切です。
みんなできることやできないことがあって当たり前、6割できればよい!と自分を認めて切り替えることも時には必要です。
それでも落ち込むときはあります。
疲れてしまった時には一度家事のことは忘れてゆっくり過ごしてみましょう。
相手にお願いするのもコミュニケーションのひとつです。
それに、今は家事代行サービスやデリバリーなど充実しています。
利用できるものは積極的に活用しましょう。
【まとめ】ADHD当事者でも結婚生活をラクに送りたい
結婚生活は、いままでの生活と大きく変わります。
2人で生活するのは予想以上にストレスも感じるかもしれません。
そこでできない自分に落ち込んだり責めたりすることは誰にでもあるものです。
筆者も今も試行錯誤しながら相手と共にしています。
夫婦は支え合って生活するものです。
自分ばかりを責めずお互いの欠点を補い、得意なことはほどほどに頑張る、そんな生活でよいのです。
発達障害だからといって自分ばかりを責める必要はありません。
協力し合いながら結婚生活を送れることを願っています。