SDGs3「すべての人に健康と福祉を」の日本企業の取り組みを紹介

SDGs

わたしたちが生きる上で病気になれば当たり前のように医療機関で受診して、高齢者になると介護や生活補助が受けられるようになっています。

しかし、すべての国や地域、人が平等にその機会を得られるかというとそうではありません。

健康こそ平等かつ公平に与えられてよいものだと考えます。

この記事ではSDGsにおける目標3「すべての人に健康と福祉を」の解説と日本企業の取り組みを紹介していきます。

この記事でわかることは以下のとおりです。

  • SDGs目標3は「すべての人に健康と福祉を」
  • SDGsのモットーは「地球上の誰一人も取り残さない」
  • SDGs貢献をしている日本企業は多数ある

それではさっそくみていきましょう。

スポンサーリンク

SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」とは

SDGsは聞いたことがあっても17つの目標すべてを把握できている方も少ないですよね。

そのSDGsの基本について紹介した上で目標3「すべての人に健康と福祉を」を詳しくみていきます。

そもそもSDGsとは

SDGsとは2015年9月に国連サミットで世界のリーダーによって採択された国際社会共通の目標のことを指し、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。

SDGsは「地球上の誰一人も取り残さない(leave no one behind)」をモットーに、2030年までに達成するべき「17のゴール」と「169のターゲット(具体的な目標)」に向けて先進国も発展途上国も一丸となり目標達成を目指しています。

1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任、つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう
出典:SDGs17の目標 | SDGsクラブ | 日本ユニセフ協会(ユニセフ日本委員会)

SDGs3「すべての人に健康と福祉を」とは

SDGs目標3とは「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」をテーマに13個の具体的な目標から成り立っています。

世界にはやむをえず命を落としてしまう方がいます。また日本にいては実感は薄いかもしれませんが医療機会を誰しもが平等に受けられるわけではありません。

そういった人々に寄り添う、救う目標がSDGs目標3です。

SDGs3の具体的な目標は

SDGs3の具体的な目標は以下のとおりです。

3.1 2030 年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生 10 万人当たり 70 人 未満に削減する。
3.2
すべての国が新生児死亡率を少なくとも出生 1,000 件中 12 件以下 まで減らし、5 歳以下死亡率を少なくとも出生 1,000 件中 25 件以 下まで減らすことを目指し、2030 年までに、新生児及び 5 歳未満 児の予防可能な死亡を根絶する。
3.3
2030 年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する。
3.4
2030 年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて 3 分の 1 減少させ、精神保健及び福祉を促進する。
3.5
薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する。
3.6
2020 年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。
3.7
2030 年までに、家族計画、情報・教育及び性と生殖に関する健康の国家戦略・計画への組み入れを含む、性と生殖に関する保健サービ スをすべての人々が利用できるようにする。
3.8
すべての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保 健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・ カバレッジ(UHC)を達成する。
3.9
2030 年までに、有害化学物質、ならびに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。
3.a
すべての国々において、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を適宜強化する。
3.b
主に開発途上国に影響を及ぼす感染性及び非感染性疾患のワクチ ン及び医薬品の研究開発を支援する。また、知的所有権の貿易関連 の側面に関する協定(TRIPS 協定)及び公衆の健康に関するドーハ 宣言に従い、安価な必須医薬品及びワクチンへのアクセスを提供す る。同宣言は公衆衛生保護及び、特にすべての人々への医薬品のア クセス提供にかかわる「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定 (TRIPS 協定)」の柔軟性に関する規定を最大限に行使する開発途 上国の権利を確約したものである。
3.c
開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において保健財政及び保健人材の採用、能力開発・訓練及び定着を大幅に拡大させる。
3.d
すべての国々、特に開発途上国の国家・世界規模な健康危険因子の 早期警告、危険因子緩和及び危険因子管理のための能力を強化する。
(出典:グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン公式サイト)

SDGs3の背景

SDGs目標3が設定された背景を読み取っていきます。

医療機会の不平等

医療格差があることですべての人々が平等に医療サービスを受けられるわけではありません。

医療格差は発展途上国だけの話だけではなく、先進国においても存在します。国民皆保険制度がないアメリカでは、収入格差がダイレクトに医療格差を引き起こし、十分に医療サービスが受けられない現状があります。

また日本も例外ではありません。医師不足の度合いも都市部と地方、さらには県庁所在地エリアとそれ以外の地域において異なります。

命を失う子どもたちや妊婦

幼児死亡率は以前より下がったものの年間540万人の5歳未満児が死亡しており未だ高い水準となっています。

これは世界のどこかで6秒に1人のスピードで亡くなっている計算となります。

貧困や環境も影響をし、栄養不足・水・衛生環境の悪さ・医療機会がないことから命を落としてしまうケースが多いようです。

また妊産婦も年間約30万人の方が命を落としていると言われています。
未だ医師の立ち会いがない中で出産をせざるを得ない方が約20%いると言われています。
まだまだ国単位だけではなく都市部と農村部の格差はあるのが現状です。

(出典:国連・死亡率推計に関する機関間グループ(IGME)「妊産婦死亡の動向:1990-2015」
(出典:独立行政法人 国際協力機構JICA公式サイト)

エイズ、結核、マラリアその他の感染症

世界3大感染症といえば「エイズ」「結核」「マラリア」です。
こうした感染症で命を落とす方が世界には多くいます。
これらの感染症に対してはSDGs設定前から改善に努めており減少傾向ではありますが、依然としてまだ多くの方が命を落としている現状となっています。

HIV/エイズ
(1)世界のHIV/エイズ感染・患者総数 3,330万人
(2)年間新規HIV感染者数 260万人
(3)2009年間エイズ死亡者数 180万人
(出典:2010年 UNAIDS統計)
結核
(1)年間発病者数 約940万人
(2)年間死亡者数 約170万人
(出典:2010年 WHO世界結核対策報告書)
マラリア
(1)年間罹患者数 2億2,500万人
(2)年間死亡者数 約78万人
(出典:2010年 WHO世界マラリア報告書)

日本企業のSDGs目標3に関する取り組み

SDGsの目標達成ランキングは1位フィンランド、2位スウェーデン、3位デンマークと幸福度が高い国でも知られる北欧が上位を占めており、日本は18位です。

それでは日本企業のSDGs目標3に関する取り組みをみていきましょう。

株式会社コーセー

化粧品メーカーとして有名な「コーセー」は、女性なら誰しもが聞いたことがあるのではないでしょうか。

コーセーにおけるSDGs3のアクションは以下のとおりです。

  • スキンケアによるアレルギー予防
  • 日焼け止めを活用したポルフィリン患者(紫外線などによって症状が出る難病)への継続的な化粧品提供によるQOL向上

啓蒙活動だけにとどまらず自社の商品を届けるというダイレクトな形でのSDGs貢献は素敵ですよね。

住友化学株式会社

「住友化学」は住友グループの大手総合化学メーカーです。

住友化学におけるSDGs3のアクションは以下のとおりです。

  • 蚊帳でマラリアを減らす

蚊帳とは、寝るときに寝床を覆って蚊から守るための網です。

世界3大感染病であるマラリアなど感染症で亡くなる方は多くいます。そのため、この「蚊帳」は世界保健機関(WHO)でも使用が推奨されているそうです。

富士通株式会社

「富士通」はパソコンをはじめとしたIT・通信関連システムやデバイスを製造している総合エレクトロニクスメーカーです。

富士通におけるSDGs3のアクションは以下のとおりです。

  • 新たながん治療の発見

「ITなのにがん」と思った方も多いのではないでしょうか。

医療とIT・ものづくり・AI技術は密接な関係となっております。がんに関連するメカニズムの分析に対して富士通のスーパーコンピューター「富岳」を開発し、AI予測したところ、新たながん治療法が発見になるかもと期待されています。

またレジなし店舗の実証実験も行っており、コロナ禍における非対面や非接触のニーズに対しても貢献すると期待されています。

協和キリン株式会社

「協和キリン」はバイオテクノロジー、抗体医薬を強みとする製薬会社です。

協和キリンにおけるSDGs3のアクションは以下のとおりです。

  • 治療法が見つかっていない疾患の新薬開発
  • 医療費抑制
  • 予防医療
  • 未病分野への貢献

まだ治療法が確立されていない指定難病は300以上を超えるといわれています。

そういった病気に対する新薬開発や医療格差を軽減するSDGs活動が注目されています。

(出典:難病情報センター)

【まとめ】SDGsを通じて自分も社会も健康にしていこう

いかがでしたでしょうか。

今回は、SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」の基本と日本企業の取り組みを紹介しました。

まずわたしたちができることとしては自分が健康である状態にアクションしていくことです。

そして、仕事やボランティア、寄付・募金を通じてSDGsに貢献していくとよいでしょう。

それではみなさんと社会の健康をお祈りしております。

この記事を書いた人

田舎から、ぽんこつに綴ります。双極性障害とADHD持ちのぽんこつライター。コーヒーメディアとシナリオ中心にWEBライターをしながら山奥で温泉を張ってます。たまに温泉施設でwebマーケも。手網珈琲 | 複業 | ローカル | 二拠点生活 | 東京から地方へ戻り組 | 村育ち | ばあちゃん子 | 30↑

ponkotsudripをフォローする
SDGs
スポンサーリンク
ポンコツドリップ
タイトルとURLをコピーしました