みなさんはコーヒー焙煎を耳だけでする人たちをご存知でしょうか。
コーヒーは緑色の生豆を焙煎して、みなさんが目にするようなコーヒー色になります。
通常は見た目の焙煎と音と香りを頼りに焙煎をするのですが、耳で焙煎をするという視覚障害者がいるらしいです。
そこで今回は「耳で焙煎する」という視覚障害者の挑戦を、雪国で手網焙煎でコーヒーショップ開業を目指している筆者がお届けします。
それではさっそくみていきましょう。
耳で焙煎するコーヒー豆が好調!
埼玉県上尾市の通所型福祉事業所「領家グリーンゲインブルズ」を利用する視覚障害者が手掛けるコーヒー豆が好評らしい。現在は事業所の収益の柱になっているとのこと。
コーヒー豆の焙煎具合を音で聞き分け、コーヒーの風味を決定づけています。
筆者が焙煎をするときは時間を計測しながら、目で煎り具合を確認しながら音でハゼといわれるパチパチやチリチリとした音を聞き分けるのですが、これがシンプルにも関わらず非常に難しいです。
付加価値の高いコーヒー
2021年12月のお歳暮時期の売り上げは30kg焙煎をし、売上は40万円だそうです。
ちなみに単純に売上を焙煎量で割ると1gあたり13円となります。ギフトなども入っているため一概に1gあたりのコーヒーだけの単価とはいえないかもしれません。
この価格帯は他のコーヒーショップと比べても標準よりも高単価と言えます。しっかりと障害者の方々の技術や想いが価値として反映されていることが読み取れます。
さらに事業において弱気な価格設定では、しっかりと障害者・事業者にまっとうな還元がなく、持続的に続けていくのは難しいものです。
高単価の意味合いとしてはただ単に値段が高いを伝えたいのではなく、価値が高いもので、正当な価格でフェアトレードなものであるからこそいろんな人に価値の高い一杯を飲んで欲しいと筆者は考えます。
「領家グリーンゲインブルズ」と他のコーヒーチェーン店と比べてみると以下の通りです。
コーヒー豆商品名 | 価格 | 容量 | 1gあたり |
サザグァテマラ200g | 1,200円 | 200g | 6円/g |
スターバックスカフェベロナ | 1,339円 | 250g | 5.4円/g |
マイルドカルディ | 594円 | 200g | 3円/g |
領家グリーンゲインブルズ グァテマラ アンティグア | 700円 | 100g | 7円/g |
ちなみにグアテマラのアンティグアはグアテマラの中でも最高品質の生産地です。
コーヒー豆の質にもこだわっていることがわかります。
究極の一杯をぜひ味わってみてください。
1ハゼ?2ハゼ?コーヒー焙煎の工程とは
薄い緑色のコーヒーの生豆を焙煎し始めると、豆の中で化学反応が起きて、パチパチと爆(は)ぜる音が聞こえます。最初のハゼを「1ハゼ」と呼びます。
そして、そのまま焙煎しつづけるとさらにチリチリ、ピチピチのような小刻みな音が鳴り、これを「2ハゼ」と呼びます。
焙煎度合いは大きく「浅煎り」「中煎り」「深煎り」の3種類に分けられます。
焙煎度合いと味の特徴は以下の通りです。
焙煎度合い | 焙煎時間 | 見た目 | 味の特徴 |
浅煎り | 1ハゼの途中 | シナモン | 酸味が強い |
中煎り | 2ハゼあたりで終わり | 栗色 | バランスが良い |
深煎り | 2ハゼ以降まで | 焦茶 | コクや苦味が強い |
筆者は浅煎り、深煎りの最適なタイミングを目で見ていてもまだよくわかりません。
音だけでしっかりと最適な焙煎タイミングを見極める「領家グリーンゲインブルズ」の障害者の皆さんはすごいです。
耳で焙煎するコーヒー豆はどこで買えるの?
耳で焙煎するコーヒーはネットでも購入ができるようです。
コーヒーギフトセットから、グアテマラ以外にも近年のカフェシーンでは人気が高い紅茶のようなフルーティーな酸味が特徴のエチオピアイルガチェフや珍しいタイやペルーのコーヒー豆も取り揃えているようです。
コーヒー以外にも施設内で作られたアイテムも販売されているようです。
【まとめ】耳で焙煎したコーヒーを飲んでみよう
いかがでしたでしょうか。
今回は、コーヒーを耳で焙煎する埼玉県上尾市の通所型福祉事業所「領家グリーンゲインブルズ」さんの取り組みを紹介いたいました。
私自身も日々、焙煎の修行をしているのですが改めて音の重要性を再確認しました。
さらにコーヒーと障害が掛け合わさり、人々の日常に溶け込んでいくこの取り組みは素敵だなと感じました。
どんなに愛と優しさにあふれた場所なのでしょうか。
それではみなさんも引き続き素敵なコーヒーライフをお過ごしください。
出典:「耳で焙煎する」コーヒー豆好調 視覚障害者が1秒を聞き分ける
他にもコーヒーを通じたSDGs活動もまとめてます。合わせて読んでみてください。