【まとめ】ADHDが自立支援医療制度を使うメリットと注意点を紹介

発達障害

自立支援制度ってADHDでも使えるのかな

インチュニブ服用しているけど、自立支援制度なかったら大変かも

ADHDで定期的に通院をしながら生活をしていく中で、金銭面の不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

筆者はADHDと診断を受ける前からうつ病で心療内科を受診していました。
その時に自立支援医療制度の存在を知りました。
7年ほど制度を利用し毎月の医療費の自己負担を抑えることができています。

この記事では自立支援制度について紹介します。
ぜひ現在利用していない方は申請を検討していただけると幸いです。

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自立支援制度って何?

自立支援医療制度とは、障害の治療にかかる医療費の自己負担を少なくする制度です。
ADHDなど精神疾患の通院は長期にわたることも多く、金銭面だけでなく精神的な負担も多いことでしょう。

通常の医療費は3割負担ですが、自立支援制度を利用すると1割負担となります。
さらに1か月あたりの負担額は、世帯の所得に応じて上限が設けられています。

自立支援医療制度には以下の3種類があります。

・精神通院医療(精神疾患)
・更生医療(身体障害)
・育成医療(身体障害のある子ども)

ADHDはこの中で、精神通院医療に当てはまります。

ADHDでも自立支援医療制度は使えるの?

自立支援医療医療の対象となるのは、主治医が「継続した治療が必要な疾患」と主治医が判断した場合になります。
ADHDなど発達障害の通院は長期にわたるため、基本的には自立支援医療制度の対象となると考えてよいでしょう。

その他に、自立支援医療制度が利用できる疾患を以下にまとめました。
もしグレーゾーンで通院している方でも、発達障害は二次障害を併発していることも多いので、対象になる場合もあります。

・統合失調症
・うつ病などの気分障害
・薬物などの精神作用物質による急性中毒またはその依存症
・PTSDなどのストレス関連障害
・パニック障害などの不安障害知的障害、心理的発達の障害
・認知症、てんかん

自立支援医療制度の申請方法は?

自立支援医療制度を申請する際に必要なもの・申請方法を紹介します。

必要なもの

・申請書
・自立支援医療申請用の医師の診断書
・健康保険証の写し
・マイナンバーが確認できるもの
・世帯の所得が確認できるもの(課税・非課税証明書など)
・本人確認書類
・印鑑
・指定医療機関の情報(住所など)

申請方法

・主治医に自立支援医療の適用について相談し、許可がでたら診断書を記入してもらう(指定医療機関か確認する)
・市区町村担当窓口で必要な書類一式を提出し、申請する
・申請が認められたら、自立支援医療受給者証と自己負担上限額管理票が送付される

申請が認められると「自立支援医療受給者証」と「自己負担上限額管理票」が交付されます。
これを提示することにより、自立支援医療制度を利用することができます。

通常、書類を提出してから交付までに1〜2か月ほどかかります。
その間は、申請書の控えをもらうことができるので医療機関に提示しましょう。
医療機関により対応が異なりますが、制度を適用してもらえる場合もあります。
もし、適応されない場合には、受給者証が届いた後に払い戻しの手続きをします。

ADHDで自立支援医療制度を使っている人のTwitterでの声

実際にADHDで自立支援医療制度を使っている人の声をみていきましょう。

①しずな@ADHDさん

この方の言う通り、なにごとも知っているか知らないかで生活が変わります。
自立医療制度を知って利用するだけで、経済的な負担も減ります。

②bainin@ジョイメカファイトのリメイク希望しますさん

1割負担と3割負担では金銭的負担が大きくかわります。
特にADHDの薬は高価であるため、薬代が負担になりがちです。

③イムラ extends Singletonさん

ADHDの特性上か、このようなツイートもいくつかみられました。
筆者は、体調不良や災害が起きた際のために、お薬手帳と一緒に常に持ち歩いています。

④ゆり/1人目妊活中さん

自分から情報収集しなければ知らないこともありますよね。
筆者の身近でもこの制度について知らず、3割負担で経済的に不安を抱えている方がいました。

⑤ごまリン・ざ・ろっく!さん

筆者も高価であることに最初は驚きました。
自立支援医療制度がなければ、処方してもらうのもちゅうちょしてしまいますよ。

ADHDが自立支援医療制度を使うメリット4点

ADHDの方で自立支援医療制度の申請をすることに対し、ちょっと面倒だなと感じてしまうこともあるかもしれません。
しかしこの制度にはメリットがいくつもあります。

最初の手続きは少しだけ手間がかかるかもしれませんが、ADHDとの付き合いは一生続きます。
メリットを知り、申請を考えてみてはどうでしょうか。

医療費が1割負担になる

自立支援医療制度を利用する一番のメリットとして、医療費の負担が軽減されることです。
ADHDを含めた自立支援医療制度が適用される、障害や疾患には治療期間が長くなるものが多いといえます。
そのため、おのずと医療費の負担が大きくなります。

通常の医療費が原則3割負担なのに対して、自立支援医療制度を利用すると原則1割負担となります。
また所得に応じてひと月あたりの医療費の上限額が決められており、上限額以上の医療費は公費でまかなわれます。

医療費の負担が減ると心理的な負担も少なくなるといえるでしょう。

安くなるものには薬なども含まれる(インチュニブは高い)

1割負担となるものの中には処方された薬代も含まれます。

ADHDの薬には現在、コンサータ(メチルフェニデート)、ストラテラ(アトモキセチン)、インチュニブ(グアンファシン)の3種類、小児用にはビバンセ(リスデキサンフェタミン メシル酸塩)があります。

ストラテラには後発品があるため、希望すれば薬代を抑えることができます。
ただ、コンサータとインチュニブには現在先発品しかないため、薬価の高いことがネックになります。

コンサータは登録制のため、処方できる医師が限られているため、ストラテラやインチュニブを処方されている方も多いのではないでしょうか。
ストラテラは後発品を希望すればよいのですが、インチュニブには先発品しか存在しないため、1割負担となった場合も若干薬代が高くなることを頭にいれておきましょう。

その他にうつ病などの二次障害に関わる薬が処方されている場合は、1割負担となります。

就労移行支援施設の利用時の証明として使える

就労移行支援とは、現在働きたくても働けないでいる障害者が、一般企業に就職するための支援を提供する福祉サービスのことをいいます。

就労移行支援に必要となるものは、「障害福祉サービス受給者証(受給者証)」です。

受給者証の発行のために、現在、病気や障がいのために就労が難しい状態であることを説明する必要があります。
受給者証を発行するためには、障害者手帳や診断書、自立支援医療受給者証で証明することができます。

ひとりで就職活動をおこなうのが困難なADHDの方はこの制度を利用してみてはどうでしょうか。

復職ケアに使える

復職ケア(リワークプログラム、復職デイケア)の利用代金も1割負担となります。

通常リワークと呼ばれており、うつ病や適応障害などで現在休職されている方を対象とした、職場復帰・職場定着の支援を目的としたリハビリテーションのことを指します。
医療機関や地域障害者職業センター、企業内で実施しています。

復職ケアは職場復帰を目的としているため、プログラムに応じて決まった時間に施設へ通うことで会社へ通勤することを想定したものとなっています。
仕事に近いオフィスワークや軽作業、うつ病が再発しないための認知行動療法などの心理療法もおこなわれます。

1日の利用料金は3割負担で2000~3000円です。
これでは休職しているのに、金銭面での負担が大きいですよね。
自立支援医療制度を利用すれば、1日の負担額は1割かつ、1か月の上限額も決まっているため安心して通うことができます。

ADHDが自立支援医療制度を使う場合の注意点3点

ここまで自立支援医療制度を利用するメリットをあげてきましたが、注意することもいくつかあります。

注意点として以下の3点を紹介します。

・更新手続きが必要
・制度を利用できるのは指定した医療機関・薬局のみ
・受給者証と限度額管理票を毎回提示しなければならない

更新手続きが必要

1年に一度の更新手続きが必要です。
受給者証には有効期限が記載されているので、有効期限終了の3ヶ月ほど前から更新手続きができます。
更新手続きは、初回の申請とほぼ同じです。
診断書については、治療内容の変更がなければ2年に1度の提出で良いこととなっています。

もし有効期限終了までに更新ができなかった場合は、「再開申請」の手続きが必要になります。
このときは更新と異なり医師の診断書が必要です。

再開申請をするまでは自立支援医療の適応はされず、期限切れから再開まで、医療費の負担額は3割となります。
注意が必要なのは期限が切れてから再開申請をおこなうと、受給者証が届いても遡って医療費の払い戻しをうけることはできません。

制度を利用できるのは指定した医療機関・薬局のみ

自立支援医療制度を利用できる病院は都道府県が定めた「指定医療機関」のみです。
申請の際にその中から、自分が利用する病院と薬局を選択します。

原則、申請の際に選択した病院と薬局でしか自立支援医療制度を利用することができません。
そのため、病院の近くの薬局を選ぶなど自分が通いやすいようにするための工夫が必要です。

制度を利用できるのは精神疾患の受診時のみです。
病院内に他の科があって受診をしたとしても、その場合は1割負担にはなりませんので注意してください。
例えば、花粉症で同じ病院内の耳鼻科を受診するなどの場合は適応にならないため3割負担となります。

引っ越しなどの理由で病院や薬局を変更する場合は窓口へ行き、変更の申請が必要となります。

受給者証と限度額管理票を毎回提示しなければならない

通院のたびに、「自立支援医療受給者証」と「自己負担上限額管理表」を病院や薬局に提出する必要があります。
忘れた場合には、原則3割負担となるので注意が必要です。
後日、払い戻しができるかなどは医療機関により扱いが異なるため、支払いをおこなった医療機関に確認してください。

ADHDの方で不注意の症状がある方は、忘れ物が多かったり受給者証を無くしたり……ということがよくあるようです。
通院時に必要なものをあらかじめ、ポーチやファイルにひとまとめにするなどの工夫をして忘れないように気を付けましょう。

【まとめ】ADHDこそ自立支援医療制度を使うとよい

自立支援医療制度の申請や制度はやや複雑で、なかには面倒に感じる方もいるでしょう。
しかしADHDの治療は長期にわたるため、金銭面での心理的な負担を少しでも軽くするメリットがあります。

現在通院中のADHDの方で、自立支援医療制度を利用していない方は一度主治医に相談することをおすすめします。
きっと早く申請すればよかった!と思うはずです。

少しでも心理的負担を減らすことができれば、治療にも専念できるのではないでしょうか。

障害者手帳についてもまとめているのでよろしければご覧ください。

この記事を書いた人
omochi

ADHDとほんの少しASDの特性を持ってます。生きづらさを少しでも和らげたい、そんな思いで日々暮らしてます。
趣味はバレエとミュージカル鑑賞。そんな私を一言で表すと「インドアアクティブ」常に動いてます。

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