ADHDでも障害者手帳ってもらえるの?使うメリットと注意点をまとめました

発達障害

ADHDと診断されたばかりだけど、障害者手帳ってもらえるのかな?

障害者手帳うまく使いこなせてないかも・・・

ADHD、発達障害と診断された方は、障害者手帳の申請が可能です。

しかし「障害者手帳の申請方法がわからない」、「交付されることに抵抗がある」そんな思いで手帳の申請に踏みとどまっている方もいるのではないでしょうか。

筆者は、うつ病を発症後にADHDであることがわかり障害者手帳を取得したひとりです。

この記事では障害者手帳はどのようなものなのか、申請方法、メリットや注意点を紹介します。

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障害者手帳って何?

障害者手帳は障害があることを証明でき、福祉サービスを受けるために使用することができる手帳のことです。
障害者手帳には、身体・精神・知的障害が対象の以下の3種類があります。

・身体障害者手帳
・精神障害者保健福祉手帳
・療育手帳

精神障害者保健福祉手帳には、3つの等級があります。
障害の症状や日常生活にもたらす制限がどのくらいあるのかの基準となっており、受けられるサービスも変化します。
以下はおおまかな説明になります。

1級:常に周りの援助がないと日常生活に困難が生じている
2級:1級よりは症状は軽いが、日常生活に困難が生じている
3級:2級より症状は軽いが、日常生活に制限がある

ADHDでも障害者手帳は使えるの?

発達障害であるADHDは障害者手帳交付の対象になります。
対象となる手帳は「精神障害者保健福祉手帳」です。
また発達障害に加え、知的障害がある場合は「療育手帳」もその対象になります。

申請しても発行されないのでは?と心配する方もいるかと思いますが、原則申請すれば取得することが可能です。
発達障害専用の障害者手帳は存在しませんが、2010年に障害者自立支援法が改定され、精神障害の対象に発達障害も加わりました。
そのため、現在は発達障害の人も精神障害者保健福祉手帳を得ることができるようになっています。

障害者手帳の申請方法は?

障害者手帳を申請する際に必要なもの・申請方法を紹介します。

必要なもの

・申請書(窓口で受け取り、ホームページから印刷できる場合もあり)
・手帳申請用の診断書
・顔写真(手帳用)
・本人確認書類(運転免許証やパスポート、マイナンバーカード)
・マイナンバーがわかるもの

注意点として、申請時に提出する診断書は「初診日から6ヶ月以上経った後に作成されたもの」でなくてはいけません。
診断書の料金は、5,000円ほどかかります。

申請方法

・医師に診断書作成を依頼
・必要書類を自治体の窓口に提出
・審査
・審査結果と等級の通知(郵送)
・申請した窓口で手帳交付

通常、書類を提出してから手帳交付までに1〜3か月程度かかります。

ADHDで障害者手帳を使ってる人のTwitterでの声

実際にADHDで障害者手帳を使っている人の声をみていきましょう。

①みりんさんのツイート

障害者手帳を取得し障害者雇用で働いています。
理解のある会社だと、周りの人のフォローを受けながら働くことができます。
今の状況に感謝しているのも素敵だなと思いました。

②B型ちゃんさんのツイート

障害者手帳を人前で提示するのに抵抗がある方は、障害者手帳をスマートフォンのアプリに登録する方法があります。
この方は身分証明書代わりに使用したようです。

③コッピーちゃんさん

障害者手帳の割引制度を利用し、美術館にも行けます。
普段なかなか行くことのない場所にも気軽に行けるのもいいですよね。

④mADDまッドさん

障害者手帳をもっていると、地域によりますが公共交通機関の割引や乗車券を配布してもらえます。
利用することが多い方にはありがたい制度ではないでしょうか。

⑤えりかん🧠@IQ70軽度知的障害グレーさん

割引制度のある施設は調べると意外とたくさんあります。
上手に活用して普段の生活の息抜きになるといいですよね。

ADHDが障害者手帳を使うメリット3点

ADHDの方が障害者手帳を取得すると、さまざまな支援やサービスを受けることができます。
その中でも具体的に以下の3点を紹介します。

・障害者雇用での就業が可能
・税金の減税を受けられる
・公共料金の助成や割引サービスが受けられる

障害者雇用での就業が可能

障害者雇用とは、障害があることを前提とした求人のことです。
障害者手帳を取得していると、障害者雇用への応募が可能になります。
事業主側は配慮が必要なことをあらかじめ想定したうえで求人をおこなっているため、障害についての理解を得やすいと考えられるでしょう。
そのため、面接時に自身の特性や症状などを伝えることにより、自分に合った環境で働ける可能性が高くなります。

もちろん、障害者手帳を取得したからといって必ずしも障害者雇用での就職をしなければならないわけではありません。
障害者手帳を持っていることを伝える義務はなく、一般雇用で働くことも可能です。

障害者手帳を取得することにより、働き方の選択肢が広がります。

税金の減税を受けられる

所得税や住民税などの税金などの負担が軽減されるのもメリットのひとつです。

代表的なものとして所得税では、2・3級の方は障害者控除として27万円が、1級の場合は40万円が所得金額から差し引かれます。

所得税の他に、贈与税や相続税の控除も受けることができます。
これらは国税のため全国一律で控除額が決められています。

住民税は地方税であるため、各自治体ごとに控除額が異なるため、確認が必要です。
また、自動車税や軽自動車税も割引や免除となる場合があります。
不明な点は各自治体の窓口に問い合わせるとよいでしょう。

公共料金の助成や割引サービスが受けられる

税金以外にも金銭的な面でのサポートを受けることができます。
各自治体によりサービスは異なりますが、代表的なものを以下にまとめました。

わからない場合は各自治体の窓口やホームページ、手帳交付の際に冊子をもらえることもあるので一度確認することをおすすめします。
等級によっても助成額や受けられるサービスも変わるので注意が必要です。

・NHK受信料の減免
・公共交通機関の割引、交通費の助成
・公共施設入場料の割引
・携帯電話の割引
・上下水道料金の割引
・公営住宅の優先入居

ADHDが障害者手帳を使う場合の注意点3点

ここまで、障害者手帳を使うメリットを挙げてきましたが、デメリットはほぼないといってもいいでしょう。
ただしいくつか注意点もあります。
特に注意が必要な以下の3点を紹介します。

・障害者雇用では収入が低くなる可能性がある
・医療保険や生命保険への加入が難しくなる
・2年ごとの更新が必要

障害者雇用では収入が低くなる可能性がある

メリットでは障害者雇用での就業が可能となり、選択肢が広がることを紹介しました。
しかしその反面注意する点もあります。

それは、一般雇用よりも最初から給料を低く設定している企業がほとんどであるということです。
配慮を得られる反面、収入が上がりにくかったり、なかなか役職が上がりにくかったりする可能性もあります。

就職活動をする際には、自分は収入をより得たいのか、自分の特性について知ってもらい配慮してもらった環境で働きたいのかを、よく考える必要があります。

医療保険や生命保険への加入が難しくなる

障害者手帳を取得していたり、ADHDの診断を受けていたりする方は、新たに保険に加入する場合、告知義務で自分の健康状態を告知しなければなりません。
そのため、加入できない場合もあります。

現在は、緩和型といい、ADHDなどの精神疾患を持っている方でも入れる保険もあるため探してみるといいでしょう。
ただし、一般の方より保険料は割高になります。

手帳を取得する前や診断を受ける前から入っていた保険を解約し、新しく保険に加入しようと考えている方は注意が必要です。
日本は公的保険が充実しているため、そもそも保険が必要か考え直してみるのもよいでしょう。

2年ごとの更新が必要

障害者手帳には有効期限があり、2年ごとに更新が必要になります。
基本的には、有効期限の3ヶ月前から申請をすることが可能です。

ADHDの方は忘れやすかったり、後回しにしてしまったりといった特性の方もいるので注意が必要です。
更新は余裕をもっておこなうようにしましょう。

以下に更新時に必要なものをまとめています。

・手元にある精神障害者保健福祉手帳の写し
・申請書
・医師の診断書
・印鑑
・本人の写真

更新時には再度審査がおこなわれるため医師の診断書が必要になります。
診断書の発行も時間がかかるため、早めに準備するようにしましょう。

【まとめ】障害者手帳でADHDでも生きやすく!

ADHDの診断を受けているけど、先延ばしにしていたり、手帳を持つことに抵抗を感じて申請できなかったりする方もいるかと思います。

障害者手帳を取得しても、手帳の有無について告知義務に該当しない場合は(何かの支援や税金などの減免申請をする時など)、相手に知らせなくてもよいのです。

筆者も取得してからは、就職に向けた支援をしてもらうことができとても助かっています。

もし現在、生きづらいと感じているADHDの方は、障害者手帳の申請をしてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
omochi

ADHDとほんの少しASDの特性を持ってます。生きづらさを少しでも和らげたい、そんな思いで日々暮らしてます。
趣味はバレエとミュージカル鑑賞。そんな私を一言で表すと「インドアアクティブ」常に動いてます。

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